1. 「なんで私ばかり親を理解しなくちゃいけないの?」
「親を理解しましょう」
そう言われると、モヤモヤする人がいます。
特に毒親育ちさんほど、こう思うのではないでしょうか。
「なんで私ばかり親を理解しなくちゃいけないの?」
本来なら親の方が子どもを理解する立場だったはずです。
理解されずに傷ついてきた人にとって、
「今さら親を理解しろ」と言われても納得できないのは当然です。
私も、親を許すために親を理解する必要はないと思っています。
では、なぜ親を理解するのでしょうか。
2. 親を理解するのは、背負わされた責任を返すため
例えば、母親が不機嫌になると何日も口を聞いてくれなかった人がいます。
子どもだったその人は、「私が悪い子だからだ」と思っていました。
もっといい子になればいい。
もっと頑張ればいい。
もっと迷惑をかけなければいい。
そうやって生きてきました。
ところが大人になってから知ったのです。
当時、母親は父親の浮気問題で苦しんでいました。
もちろん、それで子どもを無視していいわけではありません。
でも、その事実を知った時に見えてくるものがあります。
「あの時、お母さんが口を聞いてくれなかったのは、私が悪い子だったからじゃなかった」
という事実です。
3. 子どもは親の問題を自分の責任だと思ってしまう
ここで救われるのは、母親に同情できたからではありません。
「私の責任ではなかった」と理解できたからです。
子どもは何でも自分のせいにします。
親が怒るのも。
親が泣くのも。
親が苦しんでいるのも。
全部、自分が悪いからだと思ってしまう。
だから親を理解することで、親の問題と自分の問題を分けることができるのです。
4. しかし、本当の目的はそこではない
実は、親を理解する意味はもう一つあります。
むしろこちらの方が重要かもしれません。
それは、
自分の中にいる親を見つけることです。
5. 親はあなたの中に住んでいる
カウンセリングをしていると、「うちの母親はいつも否定的だったんです」という人がいます。
ところが話を聞いていると、その人自身が失敗した時に、
「だからダメなんだ」
「また失敗した」
「ちゃんとしなさい」
と自分を責めています。
その言葉を最初に言ったのは母親かもしれません。
でも今、その言葉を言っているのは誰でしょうか。
自分です。
6. 親の言葉は、やがて自分の声になる
子どもの頃、「頑張りなさい」と言われ続けた人は、
大人になっても休めません。
「もっと頑張らなきゃ」
「これくらい我慢しなきゃ」
と自分を追い込みます。
親はもう何も言っていないのに、
自分が自分に言っているのです。
毒親育ちの人が苦しむのは、
親と一緒に暮らしているからではありません。
親の言葉や価値観や生き方が、
自分の中に住み着いているからです。
7. 親を理解すると、自分の問題が見えてくる
だから親を理解するとは、
「お母さんも大変だったんだね」
と同情することではありません。
親から受け継いだ考え方や価値観を見つけることです。
親を理解すると、「あれは私の責任ではなかった」とわかります。
そして同時に、「私は今も親と同じことを自分にしているのではないか」
ということに気づきます。
この二つはセットです。
8. 親を理解する本当の意味
親を理解する目的は、親を許すことではありません。
親を救うことでもありません。
親を好きになることでもありません。
親を理解することで、親に返すべき責任を返す。
そして、自分の中に住んでいる親を見つける。
その時初めて、親の人生ではなく、
自分の人生を生き始めることができるのです。
まとめ
親を理解するとは、親を分析することではない。
親から受け継いだ生き方を発見することである。
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