「見下されたくない!」人には2種類いる
「馬鹿にされたくない」
「見下されたくない」
「舐められたくない」
こうした気持ちを持っている人は少なくありません。
しかし、カウンセリングをしていると、
同じように見えて全く違う人がいることに気づきます。
それは、
見下されることを恐れている人
と、
上でいたい人
です。
一見すると同じように見えます。
どちらも馬鹿にされると怒ります。
どちらもプライドが高そうに見えます。
どちらも負けず嫌いです。
でも、その内側で起きていることは全く違います。
下になることが怖い人
このタイプは、怒りの奥に恐怖があります。
見下される
↓
価値がなくなる
↓
仲間外れになる
↓
一人になる
↓
生きていけなくなる。
そんな感覚がどこかにあります。
もちろん本人はそんなことを考えていません。
無意識です。
ただ、見下されることに異常なほど敏感です。
なぜなら、見下されることが単なる出来事ではなく、
生存の危機として感じられるからです。
こういう人は、子どもの頃から否定や嘲笑の中で育っていることがあります。
失敗したら笑われる。
できないと馬鹿にされる。
親の機嫌次第で価値が決まる。
そんな環境では、「下にならないこと」が生き残るための戦略になります。
上でいたい人
一方で、
「認められたい」
「尊敬されたい」
「勝ちたい」
「優秀でいたい」
という欲求が強い人もいます。
このタイプは、上を目指します。
競争が好きです。
負けると悔しい。
勝つと嬉しい。
一見するとこちらの方が自信がありそうに見えます。
しかし、実はここに大きな落とし穴があります。
「勝ちたい人」ではなく「負けられない人」
以前カウンセリングで、非常に優秀な方とお話ししたことがあります。
その方は、
「自分より下だと思っている相手に見下されると猛烈に腹が立つ」
と言いました。
しかし、
「自分より上だと思っている人に言われても何とも思わない」
とも言いました。
これは興味深い反応です。
本当に勝ちたい人なら、自分より上の人に負ける方が悔しいはずです。
でもそうではない。
その人が守ろうとしていたのは、
「上でいること」
ではなく、
「下にならないこと」
だったのです。
弱さを感じないように生きてきた人
その方は、子どもの頃から母親に馬鹿にされて育っていました。
何かできないと笑われる。
勘違いするとからかわれる。
失敗すると見下される。
そんな経験を繰り返してきたのです。
すると子どもは学習します。
「弱い自分では生きていけない」
と
怖い
悲しい
傷ついた
悔しい
そうした感情を感じていては苦しすぎる。
だから切り離す。
その代わりに残るのが、
頑張る
負けない
優秀でいる
勝つ
という生き方です。
感情を切り離すと人生はうまくいく
実際、この戦略は非常に優秀です。
仕事ができる
我慢ができる
責任感がある
結果を出せる
周囲からは強い人に見えます。
しかし、その代償があります。
自分の感情がわからなくなるのです。
好きか嫌いかわからない。
やりたいかやりたくないかわからない。
疲れているのかもわからない。
限界なのかもわからない。
だから、好きでもない仕事を30年続けることもできる。
普通なら途中で「もう嫌だ」と感じるはずなのに、
その感情そのものを感じなくなっているからです。
怒りの奥にあるもの
こういう人は、自分が恐怖で動いていることを認めません。
というより、本当にわからないのです。
なぜなら、恐怖を感じないことで生き延びてきたからです。
だから表面的には、
「勝ちたい」
「認められたい」
「舐められたくない」
という欲求に見えます。
しかし、その奥をたどっていくと、
「価値のない人間になりたくない」
という切実な願いが隠れていることがあります。
本当に必要なのは、もっと強くなることではない
こういう人は、人生を通してずっと頑張ってきました。
負けないように
馬鹿にされないように
価値のある人間でいられるように
でも、その努力を続けても安心は手に入りません。
なぜなら問題は強さではないからです。
本当に必要なのは、
怖かった
悲しかった
悔しかった
本当は嫌だった
そうした感情を少しずつ取り戻していくことです。
感情を取り戻すと、自分が何を大切にしたいのかが見えてきます。
そして初めて、
勝ち負けではなく、自分の価値観で人生を選べるようになります。
見下されたくない人生から、
自分らしく生きる人生へ。
その変化は、強くなることによって起きるのではありません。
弱さを感じられるようになることで始まるのです。
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