回復の過程 ◆◆ペンデュレーション(振り子)◆◆

トラウマ解放の過程で震えが大切とお伝えしましたが、回復の過程でもう一つ大切なものがあります。
それは・・・

ペンデュレーション(振り子)です。

ペンデュレーションとは一体何か・・・

ペンデュレーション(振り子)によるトラウマ回復の過程を、人生を川に例えて説明していきましょう。

◆◆人生の川◆◆
 生まれたばかりの川は赤ちゃんのように澄んでいて、キラキラと川の流れもスムーズです。ですが、キレイなままそっとしておかれる川もなければ、赤ちゃんのように純粋なまま人生を終えられる人もまずいません。雨が降って川に枝・葉などが落ち、岩に引っかかて、枯れ木の塊が川の流れを変えたり、大きな石が落ちてきて、川を狭めたりします。
 このように人生にも様々な艱難辛苦が待ち受けていますが、大抵のものは乗り越えることができ、それがその人の性格をユニークなものにしていきます。 

 しかしそれらの障害があまりにも強大であった場合、若しくは理解不能であった場合、人生の川は決壊します。決壊すると川と陸の間の境界に穴が開き、川の外に支流を作り、渦を巻いてあらゆるものを引き込みます。
 これがトラウマの渦です。

◆◆トラウマを放置すると・・・◆◆
こんなふうにできてしまったトラウマの渦を放置しておくと人生に様々な問題が生じ、その問題は大きく2つのパターンに分かれます。

1.渦に呑みこまれ、トラウマを繰り返す
2.似たような状況を全て避ける

トラウマの渦の中心は低気圧のように引き込む力が強大ですから、渦に呑みこまれ、人生の中で同じトラウマを再現します。
 例えば、DV夫からやっと逃げたのに、次の夫からもDVを受けたなどです。
 若しくは#2のように少しでも似たようなシチュエーションに遭遇すると「あんな状況は二度と嫌だ」と、全て避けるようになります。

例えば・・・
自動車事故に遭った
  ↓
もう二度と車に乗らないぞ! 
  ↓
外に出ないぞ!・・・

こうやってどんどん人生が制限されていきます。
川全体が生命力だとすると、川幅を狭めるということは、生命力を使いきれないことに等しい。
つまり自分の力を発揮しないまま人生を終えることになります。

【トラウマを解放するには・・・】
 では、このトラウマの渦を解消にはどうしたらいいのでしょうか。

それは・・・
自然界の法則に従うということです。ここで登場するのが、先のペンデュレーション(振り子)の原理です。

トラウマの渦に限らず、自然界に物理的にある渦が形成されると、同時に反対側にも同じ大きさで逆向きの渦が発生します。これは自然界にある法則で、自然界はこうやって全てにおいて、チカラのバランスをとっています。

この法則はトラウマの渦にも当てはまります。
すなわち、トラウマの渦が発生したときには、反対側にも同じ渦が出来るということです。
これはトラウマの渦を鏡に映したように、全く同じで、しかし逆向きのものが形成されます。

この反対側に発生した渦は「逆向きの渦・癒し(リソース)の渦」と呼ばれ、副交感神経が働きます。

トラウマからの回復は、この「トラウマの渦」と「逆向きの渦」を統合していく作業になります。
統合していくとは一体どういうことか。
振り子を振るようにトラウマの渦を感じて、次に逆向きの渦を感じる。
こうやって、交互に一層毎に感じ切って、トラウマを小さくしていきます。

※ここはセラピーを体験していただければ、ご納得いただけるかと思います。

そうやって、全てが再統合されたとき・・・
一体、何が起こるでしょうか。

全部感じ切って、トラウマが無くなった川を見渡すと、川の岸が新しく形成されて、もとの川幅より広くなっています。
つまり人生の入れ物が広がったわけです。

困難を乗り越えた人に「次はトラウマを避けたいですか?」と聞くとみんなNOといいます。
トラウマは深く傷ついた分だけ、より高く登れる。
私たちに新しい世界を開いてくれる。
私たちを、以前の自分よりより寛大なものにしてくれるあり難い存在なのです。

 

 

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