「トラウマ」っていう言葉を聞いたことない方は少ないと思うのですが、深く理解している人は案外少ないのではないでしょうか。
そもそもトラウマってなんだと思いますか?
一般的にトラウマを表現するとき
「小学生の時に、好きな子に渡したラブレターをみんなの前で読み上げられて以来、女性に対してトラウマがある」
とか
「寝ていたらゴキブリが落ちてきて、口の中に入った。それ以来、ゴキブリがトラウマです」
など
日常の何気ない場面で用いられます。
多くの人は、大きなストレス、特に感情のストレスがかかった時の体験を「トラウマ」と呼ぶことが多いようですが、実際には単なる「ストレス」とは違います。専門家たちの間でも色々な考えの違いがあり、実は、トラウマを一言で定義するのは難しいのですが、ココでは以下のように解釈します。
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トラウマとは・・
人間の対処能力を超えた出来事を経験して、
それを経験したあと心身の不調が継続的に
表れる状況です。
私はこれを
「枠越えの失敗」
と呼びます。
つまり、トラウマとは「枠越えの失敗」です。
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●● 枠って何? ●●
人には衝撃を受けとめきれる範囲、つまり”枠”というものが存在し、その中で起こった出来事は受け止めきれますが、あまりにも強い衝撃を受けた場合、その”枠”を超え、処理不能となります。
●● 処理不能となったとき、その人の中で何が起こるのか? ●●
処理しきれず、溜まった感情エネルギーが、身体の中に滞在します。
そのエネルギーは何かのきっかけで解放されるまで、身体に留まり続けます。
まさにショッキングな事件が身体の中に冷凍保存されているのです。
そして何かの拍子にスイッチがはいると、解凍されて全く同じ状況を再体験する。
あるいは、イメージは出てこなくても、興奮した状態だけが身体に再現される。
苦痛を避けるため、心の中で自分を切り離す人もいます。
それこそが、トラウマの怖さであり、見えずらさの正体でもあります。
その人にとって、心理状態が180度反転するような出来事であれば、起こり得ることなのです。
他人から見た衝撃の大きさではなくて、あくまでもその人が受けた衝撃の強さで起こります。
・プライドが大きく崩された
・完璧に安全だと思っていたものが崩された
そんなことでも起こります。
同じ経験をしたのに、ある人はトラウマになってある人は全く平気だったということも良くあります。
例えば・・・
○ ある人は、バスハイジャックの被害者なのにその衝撃体験はトラウマ化しませんでした。
○ 別の人は、自転車と接触しただけなのに、それが外出もままならないほどのトラウマ体験となってしまいました。
などです。
●●その違いは、どこにあるのでしょうか?●●
前者の人は心が強くて、後者の人は弱いのでしょうか?
いえいえ、決してそうではありません。
「トラウマ」もっているというとメンタルが弱そうとか、根性ないとか思われがちですが、そういうことではなく、トラウマ化するか否かの分かれ道は、実は、主に以下の4点です。
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1.枠の大きさ
2.その時の体調
3.発生したタイミング
4.直後に正しい対処をしたかどうか
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●● そもそも枠って何なのか ●●
枠とは、神経系のシステムそのもののことです。
トラウマは生理現象です。
ここら辺の詳細についてはコチラをご覧ください。
上記4点についての詳細は、別の機会に譲りますね。
*******まとめ********
トラウマとは・・
「枠越えの失敗」であり、
生理現象であり
トラウマ化するか否かの分かれ道は、
以下の4点による。
1.枠の大きさ
2.その時の体調
3.発生したタイミング
4.直後に正しい対処をしたかどうか
トラウマを持つということは、決して心が弱いわけではなく、条件が揃えば、誰の身にも起こり得るものだといえます。
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