【会社員Aさん30歳男性のお悩み】
先日、Aさんが
「プレッシャーをかけられると鼻血が出てしまう。 恥ずかしいので、何とかしたい」
とカウンセリングにお見えになりました。
耳鼻咽喉科、内科など様々な病院を巡ったのですが、原因不明だそうです。
そのような何だかわからない身体の不調があるとき、よくあるのは医師は心のせいにすることです。
で、カウンセリングを勧められ、私のところにいらっしゃいました。
彼のプレッシャーとは・・・
高圧的な上司から
「なんだその目つきは!」
「文句があるなら言え!」 など
言い返せない言いかたをされて、言い返せと言われます。
そんな言いかたをされると、頭が真っ白になって、益々どうしていいのかわからなくなってしまいます。
なのに何かしなきゃ! とプレッシャーばかり感じてしまいます。
その反面「言ってもしょうがない」といつも黙って耐えてしまいます。
ボク、こんなときはいつも 「言ってもしょうがない」 と思って、諦めちゃうんです。
「高圧的な上司に怒鳴られたら怖いし、怒りも感じますよね。」
と聞くと、
「ボクって、感情を出さないんです。感情を出すのはわがままだって 思っちゃうんです。」
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多分、鼻血は言いたい気持ちを我慢していることの表れなのでしょう。
なんでそんなに我慢しちゃうか、セラピーの中で身体に聴いてみました。
すると・・・
根本は、幼少期の体験にありました。
彼が5歳の時に母親が再婚し、直ぐ妹が生まれました。
継父は、妹を溺愛。
自営業だったため、母親は慣れない自営業の手伝いと育児でAさんのケアにまで気が回らず、次第に両親と妹の3人で家族が出来上がっていき、Aさんはそこに入っていくことができなくなりました。
そこで子どもながらに思っていたことは・・・
自分は要らない子なんだ
迷惑かけるのが辛い
寂しいけど言えない
いうのはわがままだし、母親が悲しむ。
母親が再婚したのはAさんを養うためでもあったことを知っていたから、どうても母親を悲しませることはしたくなかったのです。
こうやってAさんは、自分の感情を押し込めるクセがついてしまいました。
では、このAさん、一体どんな感情を押し込めていたのでしょうか?
セラピーで感情をひも解いていった結果、わかったこと。
その押し込めていたものの正体は、強い「怒り」でした。
なんで自分だけ、のけ者なんだ!
なんで自分だけが、いわれのない辛辣な言葉を投げかけられなくてはならないんだ!
そんな強い怒りを、押し込めていました。
怒っても怒っても消えない強い怒りを、感じ続けていると、人は無力になります。
どーせ分ってもらいえないと、強い自己否定の心が芽生え、全て諦めモードになります。
ちなみに怒っても怒っても解消されない怒りは無気力を生み、これは「学習性無力症」と呼ばれ、うつの一因ともなり得ます。
そんなAさんに必要なのは、どんなことなのでしょうか・・
それは・・・自分に感情を感じる許可を与えること
そして・・・自分は価値ある存在だと思えることです。
セラピーの中では、この2つのことを深く心の刻み込んでもらいました。
その結果、Aさんは徐々に
「自分の感情を出していい」
「自分は価値ある存在だ」と
思えるようになっていきました。
セラピーは何か月かかかりましたが、その甲斐あって、今ではむしろプレッシャーを楽しみ、原動力に変えられるようにまでなりました。
あなたも自分の心の声に耳を傾けてみませんか?
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