トラウマは生理現象!?(その2) ◆◆闘争逃走反応◆◆

トラウマとは「枠越えの失敗」であり、枠とは神経系のシステムだと書きましたが、具体的にどういうことでしょうか? そして、どうしたらトラウマから解放されるのでしょうか。。

トラウマ症状とは、例えば、

・突然大きな音がすると、ビックっとする。

・特定の苦手なタイプがいる

・鳥やクモが怖い

・好きな子にフラれてから、女性が苦手になった

といった多かれ少なかれ、誰もが持っているようなものから、

・突然トラウマとなった出来事がありありと思い浮かんで、パニックを起こす

・道が歪んで見えて、外を歩けない

・感覚が麻痺し、自分が離れたように感じる。

といったような生活に支障をきたすレベルの大変なものまで、様々です。

これらは、いくら頭の中で自分に命令しても、身体はいうことを聞いてくれません。

なぜか・・・

それは・・・

トラウマが引き起こす問題は、生理現象つまり本能が引き起こしているからです。

それを裏付ける理論があります。トラウマ業界に革命を起こした理論です。

それは・・・

多重迷走神経理論(ポリベーガル理論)」 です。 

では、この「多重迷走神経理論」とは、一体、どんな理論なのでしょうか?

 詳しい解説は別の機会に譲るとして、ここでは簡単にポリベーガル理論を説明していきたいと思いますが、その前に説明しておきたい人間の反応があります。それは「闘争逃走反応」と呼ばれるもので、トラウマを理解するのにとっても重要な考え方になります。

◆◆闘争逃走反応って何?◆◆

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過去、ショッキングな出来事に遭遇した時のことをありありと思い出してみてください。

あなたは、そのとき、どんな反応をしましたか?

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実は、ここで人間の反応は3つに分かれます。 

その反応とは・・・

一つ目は、闘う

二つ目は、逃げる 

そして、三つめは・・・ 凍りつく

あなたの反応はどれだったでしょうか?

通常、人がショッキングな出来事に遭遇した時、「闘うか逃げるか」という反応が起こります。これを「闘争逃走反応」といいます。しかし、どちらも出来なかったとき・・・・ 人は硬直します。 「頭真っ白」とか、「フリーズ」といった言葉で表現する方が多いです。この硬直状態のとき、実は、身体の中には、闘ったり逃げたりすることに使われるはずの大量のエネルギーが身体の中を駆け巡っているのです。硬直してしまうと、このエネルギーは使われずに蓄積されます。そして、これが、様々な症状を作りだすのです。

例えば・・・

● 何年も前に目撃した事故が原因で、パニック発作を起こす。

● 虐待などを繰り返し受けて育った子どもが、対人関係で距離感がつかめない。

● 完璧主義の親に育てられた子どもが、大人になって疲労感が続き、やる気がでない

身体の神経系の中に閉じ込められたトラウマでつくられたエネルギーは、こんなふうに、私たちの心身を破壊することがあります。

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